子供の低身長の原因が「SGA性低身長症」の場合、成長ホルモン療法の効果は、成長ホルモン分泌不全性低身長症の子供に表れるものとは少し異なります。この病気は、そもそも低身長低体重で生まれたことが原因であり、成長ホルモンの分泌は正常である場合が多いのです。そのため、成長ホルモンを投与しても十分に効果を得られない場合があります。

また、小さく生まれた子供は無意識に早く大人になろうとするため、思春期を迎える時期が通常より早い場合があり、その分成長期が短くなる傾向があります。このこともまた、SGA性低身長症の治療を困難にしています。

女子にみられる「ターナー症候群」は性ホルモンの分泌が十分ではなく、骨が固まるのが遅い染色体の病気です。成長ホルモンの分泌はほぼ正常で、成長ホルモン療法の効果は限定的となります。しかし成熟がゆっくりなので、成長ホルモン投与により、長い時間をかけて身長を伸ばすことができます。