成長ホルモン補充療法とは、具体的にどのように行うものなのかご説明します。基本的に、決まった量の成長ホルモンをお尻や太もも、お腹などに睡眠前に自宅で皮下注射する方法が採用されています。注射する量は対象となる病気や体重によって違いますが、成長ホルモン分泌不全性低身長の場合は、一週間当たり0.175mg/kgの成長ホルモン製剤を投与します。

これは通常分泌される成長ホルモンの量とほぼ同じか、やや多い程度です。治療開始後に周囲の子に追い付くには、背の伸びのスピードを速めなければなりませんが、この量はその効果が期待できる量として算定されています。

成長ホルモンは一度にまとめての投与ができず、毎日補充しなければなりません。また今のところ飲み薬で吸収できる成長ホルモン製剤は開発されておらず、皮下注射のみの投与となっています。毎日医療機関に通って注射するのはなかなか難しく、患者さんにとっても大きな負担ななるだろうことを考え、自分で注射することが認められています。