小児疾患のネフローゼ症候群やぜんそくは、副腎皮質ステロイド薬が有効とされますが、副作用として視床下部の機能失調があげられ、成長ホルモンの分泌が悪くなり、結果として最終身長が低くなってしまうことがあります。親御さんのなかにはそれを不憫に思い、ステロイドによる治療を中止したいと希望される方もいらっしゃいますが、必要な治療を中止するのはやはり避けるべきです。

ネフローゼ症候群の場合、ステロイド剤は非常に有用です。この病気は高度のタンパク尿をもたらしますが、ステロイド治療を施すことによってこれを留めることができ、低タンパク症を免れるのです。ステロイドを使わなければいくらタンパク質を摂取しても身体に取り入れることができず、順調に背を伸ばすことも不可能です。つまりこの病気にかかると、ステロイドの使用如何にかかわらず背の伸びが悪くなってしまうのが現実なのです。

このような重篤な疾患を抱えている場合は、まずそれをしっかり治してから背を伸ばすことを考えるべきでしょう。