思春期開始の兆候が表れたり、性腺ホルモンの血中濃度を測定した結果、思春期が始まっていることがわかった場合、思春期前の背を伸ばすアプローチとはまた違う方法が有効となる場合があります。

まず考えられる方法は、薬によって思春期の開始を遅らせることです。始まりかけていた思春期をストップさせ、前思春期の状態に戻すのです。例えば2年間投薬を続けるとその間約10cm背が伸び、その後投薬をやめ思春期を開始させて最終身長を高くするというわけです。しかしこの方法での成功率は20~40%ほどで、投薬をやめて思春期を迎えた時に起こるはずの身長の著しい伸びがあまり見られないケースが6割を超えています。

思春期開始を遅らせて伸長を試みる方法は、うまくいく場合とそうでない場合があることがあり、大きな賭けになってしまう傾向にあると言わざるをえません。また、女子においては投薬により子宮卵巣系の性器発育に影響してしまうリスクもすべて排除することはできません。