背を伸ばすための治療には成長ホルモン製剤を使うものだというイメージをお持ちの方も多いと思います。実際に成長ホルモン分泌不全性低身長症などの場合は、成長ホルモン補充療法が施されます。

しかし、もっと背を伸ばしたいからという理由で、正常に成長ホルモンが分泌されている子供に成長ホルモンを外から大量投与することは、自身の成長ホルモンの分泌低下を招くことになり、非常に危険な行為です。

それでも、思春期前や思春期前半で1か月間など限定的に成長ホルモンを使う場合もあります。使うのは病気治療で用いる量よりはるかに少ない量です。たとえば1か月で平均して0.5cm程度の伸びだった子が、成長ホルモンを投与した1か月間では1cm以上伸びたりすることがあります。しかし上記の理由で連続的に使うことは絶対になく、年に1~3回程度、効果をチェックしつつ、状態をうまく折り込みながら平均身長に近づけていくことを考えていきます。