子供の背の伸びに大きく関わる成長ホルモンは、人の脳内の視床下部で生成され分泌される物質です。背の伸びのほかにも、筋肉生成、体脂肪分解などの働きをする重要な物質で、主に睡眠中に分泌量が高まることがわかっています。13~17才頃に自己分泌量はピークに達し、その後20才を過ぎるとどんどん減ってしまいます。

著しい背の伸びが期待できる時期に比例して、分泌量も多くなるわけですが、実際には何らかの原因で自己分泌量が減ってしまい、思ったように背が伸びずにいる子もいるのです。

そういう子供に対し、外から成長ホルモンを補うことで背の伸びを改善する方法は、かなり前から知られてはいました。とはいえ、成長ホルモンは長い間人工的に合成できず、供給量自体が非常に少なかったため、使用は成長ホルモン分泌不全性低身長症などの病気の治療に限られてきました。しかし近年、遺伝子工学の発達により成長ホルモンの合成が可能になり、供給量が大幅に増え、多くの人が投与を受けられるようになりました。

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