背が伸びる時、いったい骨のどの部分が伸びているのでしょうか。イメージとしては、一本の骨のそれぞれ端の部分が徐々に伸びているような気がするかもしれません。しかし、実は、成長しているのは関節軟骨から少し手前の、「成長線」あるいは「骨端線」と呼ばれる軟骨部分です。この部分は軟骨でありながら、細胞分裂する増殖帯を持っています。細胞分裂が起こることで成長軟骨の層が骨に近づき、骨の血管と合わさることで軟骨が石灰化、その分骨が伸びていくという仕組みです。

なぜ骨は先端が伸びずに、少し手前が伸びるのでしょうか。例えばひざの関節は、人体にとって生涯保持したい部分です。ひざの軟骨は摩擦係数が低く、負荷を柔軟に受け止める高度な発達をしているので、その場所に異常が発生することを防ぐため、その部分の成長を避けているのです。

レントゲン写真を撮った時に骨の一部に黒い成長軟骨が写れば、まだ背が伸びるということです。