小食で背が低い子の方が思春期開始が早まる傾向があると聞くと、意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、このことは、子孫を残すために遺伝子に組み込まれたプログラムが関係していると考えられます。

「種の保存」の観点からすると、たくさん食べられないということは、それだけエネルギー量が少なく、長く生きられる可能性が低いということになります。そうなると遺伝子は思春期を早くして、子孫を残せる確立を高くするプログラムを発動させるのです。昔、相当若いうちに結婚してたくさん子供を生んでいた時代がありましたが、これはその頃の誰もが食べる量が少なく、平均寿命も短かったため、思春期開始の時期も早かったためです。

このように、人の身体の成長の背景には必ず何らかの要因があります。お子さんの背の伸びが平均を下回ってきたような場合、その原因を突き止め、挽回するための手立てを講じてください。そのためにも、まずはお子さんの身長と平均との差をその都度きっちり把握することが大切です。