男子は17才前後、女子は15才前後で骨端線が閉じると、その後背が伸びることはありません。それでも背が伸びたという場合は、通常骨端線が閉じる年齢になっていても、骨年齢が12才や13才でまだ開いていると考えられます。

人間は思春期を越えると性ホルモンの分泌が多くなります。性ホルモンは骨端線を閉じ、子供の骨から大人の骨へと変化させる役割がありますが、もし脳の下垂体の病気で、分泌が少ない、極端に遅れているなどの異常があると、骨端軟骨が残っているためいつまでも背が伸び続けてしまうのです。また、思春期の到来には個人差があり、いわゆる「おくて」の子の場合、始まりが遅い分20才近くになっても背が伸びたというケースもあります。その場合も骨年齢は実年齢よりもずっと若く、13~14才で骨端線が開いていると考えられます。

以上のようなケースは特殊な例であり、骨端線が閉じた大人の骨を伸ばす方法はありません。ですので、「大人でも伸びる」などと宣伝している体操教室やサプリメントなどは悪徳商法であると言わざるをえません。