成長ホルモン補充療法は、骨端線が閉じるまでの数年間にわたって続けられるのが一般的です。治療を始めて1~2年はぐんぐん伸び、その後徐々に伸び方が緩やかになっていく場合が多いです。ここ10年ほどの治療の結果は、平均で男子163.9cm、女子150.9cm(治療後の成人身長の平均)。薬剤の改良や低身長の認知度が上がり治療開始時期が早まったことにより、徐々に高くなってきています。

公費による医療費補助を受けながら治療している場合、身長が一定の高さまで達するとそれ以上は補助が受けられなくなるという弊害があります。例えば「小児慢性特定疾患治療研究事業による医療費助成制度」においては、男子156.4cm、女子145.4cmに達したときと定められています。

保険は適用され高額療養費制度も利用できますが、それでも補助がない分費用は高額に跳ね上がります。そのため骨端線が閉じていなくてまだ背が伸びる可能性があったとしても、治療を断念せざるをえないケースが起こりうるのです。