背の伸び方には食事や睡眠、運動といった生活習慣が大きく関わってきますが、もう一つの大きな要因として、子供本人の心理状態もあげられます。生活習慣において別段問題がなくても、「保護者の愛情」が感じられないと精神的ストレスのせいで成長ホルモンの分泌が抑制されてしまうのです。長きにわたり保護者からの愛情を受けられず、成長が妨げられた状態を「愛情遮断症候群」と呼びます。

極端な例ではありますが、10才の時点でマイナス2SDを下回る低身長の子が、虐待を受けていたことがわかり施設で保護したところ、急激な背の伸びを見せ、最終身長は平均に近いラインまでに至ったケースもあります。虐待ではなくても、子供が家庭内で常に何がしかのプレッシャーを感じていたり、両親の不仲な様子を見て育ったりなどの場合、情緒不安定を引き起こし、食欲不振、不眠など身体への影響も懸念されます。

親は子供に期待しているからこそ、ついガミガミ小言を言ってしまいがちですが、子供の健やかな成長のためには十分な愛情を示すことや安心できる環境づくりこそが大切なのです。