10代の頃は身長が低いと「このまま背が伸びなかったらどうしよう」という不安や心配がありますよね。そんな悩みを解決するため、成長期の子供のための栄養機能食品は今では多く販売されています。

最近では形状も様々で、飲料系のものやサプリメントなど豊富な種類がありますが、いろいろあって「どれを飲んだらいいのかわからない」ということがあるかもしれません。

成長期に身長を伸ばすための目的で飲むなら何を飲めば良いのでしょう?今回はたくさん種類がある中でも特に人気のある2つを購入し、比較・検証を行いました。その体験をレポートします。

カラダアルファとセノビックを検証!



成長期応援飲料「セノビック」はロート製薬が販売しています。累計販売数が800万袋を超える人気飲料で、牛乳に混ぜるだけという手軽さや飲料ならではの飲みやすさに定評があります。

一方のカラダアルファも、昔ながらの日本の食をベースに成長期の子供を対象として開発された身長サプリメントです。

牛乳に溶かして飲む



セノビックは牛乳に溶かして飲みます。含まれる成分には、成長期に必要なカルシウム・ビタミンD・鉄分などの栄養素で、それらをバランス良く配合した栄養機能食品です。公式ホームページに「成長期応援飲料」と記載されていますが、牛乳に混ぜることが前提です。そのため、牛乳との相性を考えて、牛乳がより美味しく飲めるように5種類の味が展開されています。

セノビック5つの味

・ミルクココア味
・いちごミルク味
・ヨーグルト味
・バナナ味
・ポタージュ味

ホットでもアイスでも飲めて、「牛乳嫌いなお子様にも好評」と書かれていたので、今回はミルクココア味を頼みました。他にホットで飲むことをおすすめしているのはポタージュ味。こちらは食事でも飲める「カップスープ」のようなイメージなのでしょうか。1日に2回飲むことを考えたらスープもいいですが、気軽に飲めるココアを選ぶ人も多そうですね。

飲料としてのイメージが色濃い



セノビックが届いたのでパッケージをチェック後、さっそく飲んでみました。感想ですが、やはり「飲料に近い」という印象です。セノビックは成長期に着目した栄養機能食品で、含まれる成分はカルシウム・鉄分が主です。

いずれも成長期には欠かせない栄養素なので、セノビックを飲むことで補給できるのは良いと思います。しかし、メーカーが売り出している飲料なので、栄養の配合自体は少なめです。一般的な粉末タイプのサプリメントとは異なり、セノビックだけを飲んでいれば1日分の栄養がほぼ全て摂取できるとは言えないでしょう。

公式ホームページにもその趣旨は明記されていますので、他の身長サプリメントなどのように、期待していたものを違うとガッカリすることは避けられます。さすが販売元が大手会社なだけあり、商品情報がきっちり正確に書かれている点は好感が持てますね。

甘味料の表記が多い

セノビックの原材料表示を見てみると、最初の表記にグラニュー糖が記載されています。その次にもココアパウダーや麦芽糖などの糖分が続くため、栄養分が少ない分、飲みやすさを重視しているのがわかります。

セノビック(ミルクココア味)の原材料表示



グラニュー糖、ココアパウダー(ココアバター10~12%)、麦芽糖、乳糖、ミルクペプチド、卵黄ペプチド、植物油脂、卵殻カルシウム、香料、ビタミンC、ビタミンE、ピロリン酸鉄、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2

この原材料表示の記載方法は法律で書き方が決められており、基本的に食品を構成している中でも重量が多いものから順に記載しなくてはなりません。

ですので、消費者の視点で原材料表示を見た場合、最初に書かれている原材料がその商品の中で一番多く含まれているとわかるのです。

もちろん、どのような材料が含まれているのかが一目瞭然なので、表示の一番に糖分など甘みとなる材料が記載されていれば、食べやすく飲みやすい商品にするため、甘味料が多く入っていると考えて間違いないでしょう。

セノビックは飲料としての飲みやすさや美味しさを重視しているので、甘みや添加物での味付けが欠かせなくなっていますね。

○牛乳が苦手な人や小さい子供には飲みやすい



公式ホームページを確認すると、セノビックの基本栄養素は、以下の3つとなっています。

● カルシウム
● 鉄
● ビタミンD

この3つの栄養素は、成長期の体をサポートする大事な栄養素です。ただ、セノビックはあくまで「飲料」なので、本格的な身長サプリメントと比較すると、栄養の含有量は少なめではあります。

考え方によってはほぼグラニュー糖などの糖類なので、市販のジュースなどとあまり変わらないとも言えます。セノビックは「牛乳にプラスして飲む」というのが商品のコンセプトなので、いかに牛乳を飲みやすくするか、また牛乳との相性を良くするかを考えられて作られています。

そのように考えると、甘みや飲みやすくするための工夫は当然ではありますが、身長を伸ばす目的での飲用ではカラダアルファの方が効率よく、十分な栄養素を取り入れることができるでしょう。

しかし、一方は粉末タイプ、もう一方は錠剤タイプなど形状も違いますし、メインとなるターゲットが異なるので、使用目的や飲む対象の年齢層によっては飲み分けをしても良いかと思います。

小さい子供だと牛乳が苦手で飲めないという場合には味をつけることで飲みやすくなり、牛乳のカルシウムもあわせて、必要分を摂取できるということもありますし、あまりに小さいうちからサプリメントに頼ってしまうのも考えものです。まずは牛乳に苦手意識をなくし、美味しく飲んでくれるような工夫の一環としてセノビックを利用するのはいいでしょう。

基本的には食事から栄養素を摂取するのが一番良いので、あくまで不足している栄養を補う目的で利用するようにしたいですね。

美味しいけど溶けにくいのが難

セノビックを牛乳に混ぜると、通常のココアと比較するとコクなどは弱いですが、ちゃんとココアの味がします。子供であればかえって飲みやすいかもしれません。

通常カルシウムを配合すると、苦みや渋みが出るのですが、セノビックはそのようなカルシウム独特の癖は一切感じず、ココアが嫌いだったり苦手でない限りは飲めないという人はあまりいないでしょう。

しかし、一点難点を挙げると、セノビックは溶けにくいのです。冷たい牛乳では溶けきれず残ってしまうことがあります。ダマが残った状態で固まりが口に入ると少しウッとなるので、毎日継続して飲み続けるためには、セノビックを美味しく作るコツを習得することが必要そうです。

セノビックは「ミロ」と似ている

今回試したセノビックがココア味だったこともあって、感想としてはネスレが販売している「ミロ」とよく似ているという点に気づきました。ミロは1973年に発売され、緑色のパッケージでおなじみのロングセラー商品です。

メーカーはミロを「麦芽飲料」して販売しており成長期応援飲料としてはいません。ただし、ミロも子供の栄養補給のために作られた飲料製品です。ココアであれば味も似ていますし、摂取できる栄養素も似通っています。

セノビックとミロ、それぞれの商品に含まれる栄養素を比較してみましょう。

セノビック

● カルシウム 260mg
● 鉄分 6mg
● ビタミンD 2.8μg
● タンパク質 1.5g

※20gあたり

ミロ

● カルシウム 293mg
● 鉄分 4.27mg
● ビタミンD 2.27μg
● タンパク質 1.6g

※20gあたり

上記をご覧いただきますとわかりますように、含まれている栄養素だけでなく、配合量までほぼ同じでした。セノビックは原材料にこだわっていますが、その分販売価格も相応で、ミロと比較すると約4倍ほど似なります。

この価格差が気にならず、原料にこだわった方を購入したいということであればセノビックが良いでしょうし、ミロよりも高い効果が得られないのであればあえて価格の高いセノビックではなく、手頃な値段でスーパーでも入手可能なミロを選んでも良いのかもしれません。

今回は主にセノビックの原材料を始め、味や使い飲むシチュエーションなどを検証してみました。
以下が実際に購入してみて分かったポイントです。

● 飲料という名前通り、本格的な身長サプリメントと比べると、カルシウムや鉄などの栄養素の配合量は少なめである。
● 甘み成分が多く飲みやすいという点では、牛乳嫌いの小さな子供には便利である。
● 味は良いが溶けにくい
● ネスレのミロと味や栄養バランスはほぼ同じ。価格はミロと比べて約4倍。
● 10歳以上で成長期を迎えていて「しっかり身長を伸ばしたい」という場合は、栄養素の詰まったカラダアルファ。
● 10歳未満で「カルシウム不足が気になる」という場合はセノビックまたはミロ。

どちらにも良い点がありますので、子供の年齢や目的に応じて、カラダアルファとセノビックを使い分けるのが一番ですね。どの身長サプリメントを選べばいいか迷っている方は、ぜひ判断する基準の一つとして参考にしてくださいね!

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