低身長の原因が成長ホルモン分泌不全であることがわかった場合、「成長ホルモン補充療法」という治療が行われます。染色体異常が原因のターナー症候群や、軟骨の形成が不十分な軟骨無形成症、慢性腎不全性低身長症などの病気で成長ホルモンの投与が背の伸びに有効な場合も治療の対象となります。

しかし、これらの病気であることが判明しても、発見が遅く骨端線が既に閉じてしまっている場合は治療の効果が期待できませんので、対象にはなりません。また、成長ホルモンの分泌には異常がない低身長の場合もこの治療はできません。いわゆる「家族性低身長」か、病気ではありませんが原因もはっきり特定できない「突発性低身長」などがそれにあたります。

それでも少しでも背を伸ばしたい一心で、成長ホルモン補充療法を望まれる方もいらっしゃるかと思いますが、成長ホルモンが正常に分泌されているのにも関わらずこの治療を施すことは、身体にどんな副作用をおよぼすかわからない危険な行為といえます。