お子さんが同級生の他の子供に比べ小柄で、心配されている方も少なくないと思います。親である自分たちは標準身長なのに、子供の身長が低いとなればなおのこと、何らかの病気が原因ではないかと考えることもあるかもしれません。しかし、背が低いことは大部分が病気ではないことがわかっています。低身長の要因は様々ですが、検査してもはっきりわからない突発性のものが全体の半分を占めます。

また1割程度は親の体質を受け継いだことによるものです。つまり身長が低いまま大人になったとしても、その6割は病気ではありません。しかし、親が「今は低身長だけどよく食べるし運動もしているからそのうち伸びるだろう」と楽観的になりすぎると、病気の発見が遅れ有効な治療ができないケースも起こります。

検査の結果、治療が必要なものとして認められる病気には、成長ホルモン分泌不全やターナー症候群、骨の系統的な疾患などがあります。身長だけにとどまらない内臓や脳などにも影響をおよぼす病気の可能性もありますので、お子さんの低身長が気になったら成長の記録をきちんと付け、専門医に相談しましょう。