Dさんは出生時の身長体重は平均でしたが、その後の成長が思わしくなく、5才半の時点でマイナス4.5SDというSDスコアでした。検査の結果、成長ホルモン分泌不全と診断され、6才から治療をスタートしました。週に体重1kgあたり0.190mgの成長ホルモン製剤を注射し続け、8才時にはマイナス2.5SDまでになりました。

その後も順調に推移し、12才4ヶ月の時思春期到来のサインである乳房のふくらみが見られました。しかしこのまま思春期を迎えると最終身長がマイナス2.5SDを越えないままになってしまう可能性があることから、16才まで思春期を遅らせる性腺抑制療法を併用しました。その間は成長ホルモン製剤を週に体重1kgあたり0.175mgに減量し注射しました。

この結果、Dさんの最終身長は151cm。もし性腺抑制療法を併用しなければ、130cm台が予測されていました。成長ホルモン補充療法と性腺抑制療法の併用がうまくいった例だといえます。