Bさんのご両親は平均的な身長であり、出生時にも問題はありませんでしたが、1才の時点でSDスコアがマイナス3SD、2才ではマイナス4SDとさらに低下したため受診されました。

成長ホルモン分泌能検査の結果、Bさんは重度の成長ホルモン分泌不全であることがわかりました。通常小さく生まれても、8割の子は3歳までに平均に追い付くキャッチアップという現象がみられますが、それも見込めないため2才1か月から成長ホルモン補充療法を開始しました。週に体重1kgあたり0.175mgの成長ホルモン製剤を毎日注射し続けたところ、3才時にはマイナス1SDまで上昇、4才になる前までに平均身長に追い付きました。

Bさんは17才で治療を終えましたが、最終身長は平均の157cmでした。もし平均身長に追い付いた時点で治療をやめていたら、再び身長の伸びは悪くなっていたものと思われます。2才時でマイナス4SDという異常値を見逃さずに早期受診したことが良好な治療効果をもたらしたといえるでしょう。