Cくんは乳幼児期からSDスコアがマイナス2SDを下回る低身長で、9才で重度の成長ホルモン分泌不全と診断されました。骨年齢の成長も遅く、9才の時点で3~4才相当でした。週に体重1kgあたり0.25Uの成長ホルモン補充療法を開始し、3年強で20cmほど身長が伸びました。

ところが本人が「なぜ自分だけ」と毎日の注射を嫌がり、治療を一時中断。その後再開してはまた中断を繰り返し、20才の時点で身長は140cmでした。骨年齢が13才程度で骨端線がまだ閉じていなかったため治療を再開しましたが、25才で終了したときの身長は155cm。結局思うようには伸びませんでした。

もしも治療を中断することなく継続できていれば、おそらくもっと早い時期に160cm程度までは到達していたものと思われます。C君の場合は、中断と再開を繰り返していたため、最終的に良好な結果は得られませんでした。本人や家族の強い意志と根気がいる治療ですが、コンスタントに続けることが何よりも大切だということがわかります。