検査してみて完全に骨端線が閉じていることがわかった場合でも、背を伸ばすアプローチによって数mmから数cmは背を伸ばすことは可能です。本来ならこれ以上骨を伸ばすことはできませんが、ある方法で伸ばせるのです。

ところで宇宙飛行士は、数ヶ月宇宙にいる間に多い人で身長が7cmくらい伸びます。地球で生活する間にまた縮みますが、元々の身長よりは2cm高いところで止まるそうです。これは、骨と骨の隙間の椎間板や関節にある軟骨や軟部組織が、無重力の宇宙にいる間に膨張して、背が伸びているためです。また、朝と夜に身長を測ると、数mmから1cmほど変わっていたという経験がある人も多いかと思いますが、これも昼間起きて活動している間に背が縮み、寝ている間に軟骨や軟部組織が伸ばされているためです。

この軟骨や軟部組織の細胞に働きかけて背を伸ばそうと試みるのが、骨端線が閉じている場合のアプローチ法です。具体的には、成長ホルモンの投与によりこの部分を厚化させます。たとえば、25個ある椎間板が1mmずつ厚くなったとしても、2.5cmの伸びが期待できるわけです。