子供の背を伸ばすためにはいろいろな要素が必要ですが、最も重要なもののひとつに「睡眠」があります。わたしたちが熟睡すると、「成長ホルモン」が分泌されます。これは成長期には特に大切なもので、軟骨に働きかけて骨を伸ばす役割があります。夜間の熟睡中の決まった時間に多量に分泌されることがわかっており、いつ寝るか、どれだけ寝るかで分泌量が変わってきます。

人間の身体は、昼間よりも夜間の方が痛みや刺激に敏感になります。日中痛くない歯が、夜になって痛み出すといった経験もこのために起こるのです。つまり私たちの身体は、成長ホルモンが分泌されている夜間に、さかんに細胞分裂が起こっているのです。

なぜ、細胞分裂は夜間に行われるのでしょうか。一説には、細胞内の遺伝子をコピーする時に、それらが傷つけられるのを防ぐためと言われています。日中は紫外線や宇宙線の影響を受けやすく、遺伝子を傷つけられる可能性があるから、それらをシャットアウトできる深夜に行われているというわけです。