近年の研究で、思春期開始時に到達していたい身長がわかってきました。この時期男子で135cm、女子で132.5cm以上の身長であれば、85%以上の子が将来的にそれぞれ160cm、150cmに到達するというデータが出されました。これらの数値は平均身長には届かないものの、極端に低いという印象は持たれないと思います。低身長の治療の現場においても、このデータが一つの目標になると考えられます。

なお、低身長とは関係なく極端に早く思春期が始まってしまう場合「思春期早発症」と診断されます。男子で9歳未満、女子で7歳6か月未満で思春期が始まるまれな病気ですが、男女ともかなりの低年齢で大人の骨になり成長が止まってしまうので、最終的に低身長のまま大人になってしまいます。

同時に、周囲の子供に比べ身体面の変化が著しいため、心理的な問題も出やすいのが特徴です。またこの病気は、男子の場合脳腫瘍が隠れている可能性が高いとされており、その点からも注意が必要です。