文部科学省の発表したデータによると、1950年の17才男子の平均身長は161.8cm。2013年には170.7cmにまで伸びています。60余年で10cm近い伸びが見られるというわけです。このことから、身長が遺伝的要因だけで決まるわけではないことがわかります。

遺伝以外に身長の伸びに影響する要因で最も大きいのは、栄養事情の変化です。特に、生まれてから4才までの栄養事情が大きく関係しているといえます。60年前、日本人が1日あたりの肉類摂取量は8.4gであったのに対し、現在は約80gです。また、乳製品や卵、魚介類の摂取量も格段に増えています。つまりタンパク質の摂取量の増加が平均身長を押し上げていることは間違いなさそうです。

また、正座して過ごすことが多かった昔に比べて、椅子に座る生活へと変化していったことも身長の伸びに無関係ではありません。長い時間正座すると足の骨に過重な圧力がかかったり、足の血管が圧迫され栄養が骨端線まで行き届きにくくなったりします。現代の若者が昔に比べ足長になったのは正座をしなくなったことも一因といえるでしょう。